20世紀の文学は巨大な迷路の中に迷い込んで
しまい、あるものは政治の世界に活路を求め、
あるものは無花果の葉で覆われた人間の恥部を暴きたてることに、またあるものは狂気の世界に
足を踏み入れることによって終息した。
21世紀の今日、文学は人心を遊離して、別の世界を飛翔しているかのようだ。もはや文学の
復権はあり得ないのかとさえ危惧される。
しかしこのあたりでもう一度古きを温め、新しきを見出す流れを呼び込んで、世紀の初頭の
暗雲を吹き消して、未来の造成に取り組んでも良いのではないか?
そこで『1000
点世界文学大系』と銘うって、可 能な限り広汎な世界の文学を収集し、
これを編纂発刊して、あわよくば、次世代文学
がいずこかにその着地点を見
出すことを可能ならし
めるための資源としたい。
1000点というのは必ずしも数の千を意味しない。100 や200ではない、より広範の数の謂いである。
大方の諸賢のご支援を伏して願い上げる。
2008年3月15日